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半分、青い。第11週 [見たもの読んだものやったもの]

言いたいことは山程あるが賢いボクテは解っているはず、と口にしなかった秋風先生、尺の問題などあろうかとは思うけど、視聴者に投げ出したからには勝手にいってみる。


秋風塾のメンバーは、血縁という意味では家庭も子どもも持たなかった先生の、継承者たりえる、と見込んで呼び寄せた弟子たち。まだ何者でもない身で、自らの才だけで生きていく創作者という茨の道を歩こうとする苦悩を知っていればこそ、売れて出版社に対する発言力もある今なら出来る理想の新人育成を実現しようとしている先生のやり方は、急がば回れ式の一見遠回り。

金沢の呉服屋さんなら最低でも江戸から続く老舗だろう、その跡取りとして育てられたのに、マンガ家になる、ゲイだから女性と結婚もしない、と振り切って出てきたボクテには、納得させる形=デビューを早く実現しなくてはならないのに。

ユーコに先を越され、見込んでくれた先生の目、それに応えられる自分の才、そのどちらも信じ切ることが出来なくなったボクテは、エロが売りのレディコミに、自分にはない鈴愛の発想をぶち込んで、本来描きたかった自分の世界からはズレた作品で勝手にデビューする。どうせ今回もダメだと思ってた新人賞に選ばれるという形で、きちんと最高のものを創れば認められるんだと分かった時には、もう遅かった。

例え鈴愛の発想にインスパイアされたものであっても、それがボクテならではの切り口と表現で描かれ、雑誌の売りのエロを入れるにしても、それが話の中で無理なく自然な展開であれば、先生は破門までいかなかったかも。とにかく要求されるもの描いて、デビュー出来ればなんでもよかった。それは、先生がこれまで身命を捧げてきたマンガと、そんな先生の継承者──クローンではなく向き合う姿勢とかの秋風メソッドを受け継ぐ者──とボクテを見込んだ先生と、それらを愛してきたボクテ自身、全てを裏切る行為。

だから許さない、そうまでしてなりたかったマンガ家というものに、先生の手を離れ、理想も捨て、それでもなるのなら修羅の道を歩いて行けばいい。まぁ12週の予告を見た分じゃ、秋風メソッドもまた修羅のようだけども。にしても王道な朝ドラに革命をってことは邪道まっしぐらなワケで、つくづく北川先生も修羅道往く方ですわよね。

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