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風光る完結 ネタバレありあり [見たもの読んだものやったもの]

flowers7月号巻頭カラー100Pにて『風光る』が完結しました。
以下は一読者の正直な、つまりタイトル通りネタバレまくりな感想文。スタンスは否定派ですので感動された方、未読な方はここで読むのやめた方がよろしいかと。
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてちょっと空けました。直リンだとたたまれないので。
 
ここに辿り着いた方は、もう本編をお読みか、どっかで既におおよそのところはご承知でしょうが。ラストカットでセイちゃんは、沖田先生没後7年経過時点で5歳の我が子を抱き上げています。つまり誠は箱館で土方さんと関係した時の子のようです、が…見た目は沖田先生に生き写し、なんですね。
 
気持ち悪~~~~~~~。テレゴニーですか~(トンデモ学説かと思いきや、現代の生物学でも理論上あるらしいけど、そこは今どうでもいい)私は風光ると同い年の娘をもつ歴としたBBAですが、そもそも後追い自体共感出来ないからか、血を分けた実子の存在のみが、それを打ち消す生きてく希望たりうるってのがまず理解不能。
 
自らの誠の志の証として沖田先生似の誠を授かった、つまりこれが沖田先生の望んだことだって証明、だからこの子と共に生きるのが正義、そう確信しての晴れやかな笑顔…なんでしょうねラスト。あ~ダメ、無理、そうかそうか渡辺先生の風光るなら、そうねこうくるよね、でも私ムリ。
 
先生自ら日誌で、幕末の武士道精神をそのまま現代にもってきたら狂人でしかない、みたいなこと書かれてましたが、本当、晴れやかであれば余計に、確信した狂人に見えました。それが先生の描きたかった武士道で、それに殉じた見事さを讃えてこそファンの王道かもしれませんが。
 
最初にtwitterで感想つぶやいた時、私の知ってるセイちゃんではありえない、と書きましたが。今は少々変わりまして、ああセイちゃんてば恋する熱血乙女だと思ってたけど、それ以上に武士=オトコ、だったんだな~、と。主君が絶対、自分の生命も恋も純潔も、命じられれば歯を食いしばっても捨てられる。う~む。
 
ええっと、そもそも渡辺先生はマンガ上で明らさまな表現でなく、後ろ姿や目線、そっとそえられた手、などの婉曲な表現で心情を描くことを好まれるから、初見で先を知りたかったりだと、うっかり読み飛ばしは私にはままあるので、先生御自らSNSで発信されてるし、野暮天の極みですが、ざざっと明らさまな表現で流れをおさらいしてみます。
 
末期の肺結核で寝たきりとはいえ、千駄ヶ谷で二人は蜜月の日々を静かにおくりました。蛍の飛ぶ頃、沖田先生はもう明日をもしれない体なのに1度きりの奇跡セイちゃんと結ばれます。フクだけがそれを見てました。そして眠るような最期を迎えます。後を追うようなフクの死に我に返ったセイちゃんは、沖田先生を密かに弔い、忘れ形見の可能性を信じ一人過ごします。
 
ですが2週間後、授からなかった落胆の中、旅立つ決意を墓前に告げます。沖田先生の遺髪を届けに箱館へ。翌年ようやく土方さんと再会し、遺書など存在してないが、自分の元へ行けとは、任せるから強く生きていくため子を授けよとの願いと理解したと襲われます。武士として死ぬつもりの男たちの、お前は武士の子の母として主命を受け入れ生きろという思いの強さにセイちゃんの抵抗が止まります。
 
さすがに夫の遺志とはいえ別の男に肌身を許したことを自分で受け止めきれてないセイちゃんに、土方さんは己を捨て主の命に従った見事な武士だと讃え生き抜けと。箱館を去ったセイちゃんは妊娠を知り日野へ向かいます。おノブさんの元で誠を出産し、松本法眼の元、子育てと医者を両立しつつ暮らすある日街中で斎藤先生と再会します。
 
…ってことでいいかな。うわ~やっぱダメだな私は、この美意識があるのも、ずっと風光るという作品はそれを描くものだったのも、そこを理解しても共感も感動もないや。そんな人が何故この作品を読み続けてたんだ、ドMか、嫌いなら読まなきゃいいじゃんって言われそう。う~ん、100%で同感同意する作品だけが好きでファンな人のが、普通一般的なのかしら、やっぱ。
 
お前こそオカシイよって言われそうだけど、嫌いで見ないものも勿論あります、が…なんか魅きつけられるものがあって観たり読んだり聴いたりするのに、受け入れられない部分もあって、腹立てたりしつつ結局最後までリアルタイムしちゃう、って割とありまして…。
 
ファミリーもはじめちゃんも作品は好きだけど、主人公は苦手なタイプで現実に間近にいたら近づかないな、だし(だからジャニス大好きだ~)。風光るも歴史ミーハー幕末もの大好きだし、渡辺作品のファンではあるんですよ~これでも。絵が好きだし、手抜きや誤魔化し嫌う潔さは素晴らしいし。それだけに、ああそうだよねって納得はしましたが、とてもとても残念だったのです。
 
すんごい長くなってしまった、お付き合いくださった方ありがとうございました。

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Twitterから拝見した者です。

初めまして。突然のコメント失礼します。
花那様のブログを読み、私も同じ様なことを感じていておりました。

自分が最終回を初めて読んだ時思ったのは、戦争時代の国民の自己犠牲を讃えて美化しているあのなんとも言えない恐ろしさ。それと似たようなものを感じました。
直前回まで沖田先生とセイちゃんの恋愛の王道展開(想い合う2人が結婚するなど)描いてきたのもあって更にそれを感じてしまい...。
しかも、男女の性が関わる一番デリケートな話題をわざわざ持ち込んで...。本当に無理でした。この要素が入ってきたおかげで本当に全てが受け入れられません。武士道精神さえも更に理解不能なものに変わりました。

長年追いかけてきたこともあって、思い入れがある作品だったのでどうにかして自分を納得させようと頑張って解釈しても気持ち悪いという感情は変わらず、しかも鮮明になっていきました。私はもう何度も解釈するうちに感化されそうで怖くなりもう解釈するのすら辞めております。

花那様の感想を覗くことが出来て、同じような意見の方もいた事が知れて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!


by Twitterから拝見した者です。 (2020-06-21 12:47) 

花那

コメントありがとうございます
SNSだと先生が直ですっとんでこられるので、否定的な方は掲示板や個人ブログなどで感想書かれてることが多いようですよ
そういうとこでは、おおむねこちら側だったりw
by 花那 (2020-06-24 06:32) 

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