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星の子 [見たもの読んだものやったもの]

「その人自身を信じているのではなくて、自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな…ていう風に感じて。だからこそ人は“裏切られた”とか“期待していたのに”とか言うけれど、別にそれは…その人がこう、裏切ったとかそういうわけではなくて、その人の見えなかった部分が見えただけであって、その見えなかった部分が見えた時に、あ、それもその人なんだって受け止められる揺るがない自分がいるというのが信じられることなのかな」
 
芸歴がいわゆる物心つく3歳頃から、つまり幼児期から一度たりと一般人の普通の女の子であったことのない愛菜ちゃんは、自身の思う自分や身近な人の知る実像からしたら、いやいやいや、そう思われても~みたいなことは数限りなくあったんだろうな、と…あの聡明で繊細な感受性をもつ愛菜ちゃん、それを乗り越えられる強靭さを持っていても、やはり辛い思いもしてきたからこその言葉、だったのでしょう。
 
とゆので、いま劇場で鑑賞するのを躊躇う気持ちもあったけれど、観に行ってきました『星の子』。原作は全く知りません。基本、映画ドラマその他、何であれ本編に触れる前には、なるべく他者からの情報はいれないようにしてるので、うっかりネタバレくらう前に観ておきたかったので。
 
といいつつ感想書くのにネタバレ0はムズイので、同じようなスタンスな方は、この先はご注意ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
 
心の声を独白などで表すことは一切なく、その言動の内面での心境などは、役者の芝居と表情から観た人がそれぞれ解釈するのに委ねられます。ちひろ━ちーちゃんと撮影時どんぴしゃ同年15歳だった愛菜ちゃんの演技や顔を見ているだけで、劇場で鑑賞する価値はありました。
 
ただ…心温まる家族の愛情を描いたものではなかったし、希望が全くないわけではないのだろうけど、真摯な分つらい、としか…。
うっすら雪が地面を覆う、降るような美しい星空の下。
お互いを思いやり、深く愛し合っていながら、どうしようもなく、すれ違っていくちひろと両親。その目に見えない亀裂が、やがてこの家族を今以上の不幸へといざなうであろう未来しか見えず、ただただ悲しかった。
 
ポスターやら公式サイトやらで多用されてる星空を見上げてる3人の姿。同じ景色を見ていながら、その目に同じ流れ星はうつらない。同じ願いは、叶わない…?
 
病弱な愛しい我が子を救ってくれたと『あやしい宗教』に傾倒する両親。妹に掛かり切りなのは仕方ないと思いつつも、反発し結局離れていくことを選ぶ姉まさみ━まーちゃん。周囲の『ふつう』とは違うのに気づきつつも、愛し慈しんでくれる両親のそばにいるのを選ぶちーちゃん。
 
一生懸命なだけに、愚かさや空回りする思いが、嗤うよりしんどくて。なんか暗澹とするというか…。
 
 
錚々たるベテラン勢、愛菜ちゃんと同世代の若い人たち、小学生時代を演じた子役たち。みんなそれぞれ良かったけど、中でもまーちゃん役の蒔田 彩珠の存在感はスゴかったな~。『重版出来!』から注目してたけど、こないだの『キワどい2人』より綺麗だったな。
 
まーちゃんは外に行けた分、まだ幸せになれそうで良かった。彼氏がちょっとヤバそうな気はしたけども。
 
色々消化不良に投げ出された感があるので、原作買ってきました。ちーちゃんの一人称で語られた小説では、どう描かれているのか、これから確かめようと思います。

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